新製品16品目投入で売り上げ3.8%増を目指す―ロシュ・ダイア(医療介護CBニュース)

 ロシュ・ダイアグノスティックスの小川渉社長は2月4日に開かれた記者懇談会で、2010年度(1-12月)の成長戦略や市場展望などを明らかにした。売り上げ目標は、新製品16品目(うち5品目は改良)の発売により、09年度から3.8%増の446億円を目指すとした。

 小川社長は、新製品のうち、体外診断用試薬「TheraScreen K-RAS mutation kit」、大量の遺伝子配列を高精度で廉価に解読できる研究用試薬・機器「ジーエスジュニア」、病院の検査情報システムと連携し、病理検査の生産性を向上させる病理検査用試薬・機器・ソフトウェア「バンテージ」の3製品を売上増加のけん引役として「特に戦略的にマーケティングする」とした。
 「TheraScreen K-RAS mutation kit」は、がん患者の組織からK-RAS遺伝子変異を検出する診断薬。大腸がん治療薬の抗EGFR抗体薬は、K-RAS遺伝子の変異がない場合に高い確率で効果が見込めることから、投与前に薬効が判断できる。現在、10年4月の保険収載を前提に上市の準備を進めている。

■診断薬市場、「フラットに近い」
 10年度の診断薬市場の展望については、「検査の数は着実に増えているが、価格競争激化などでパイ自体が伸びないという状態が今年も見られるのではないかと推測している」と指摘し、全体としては「フラットに近い」との認識を示した。

 注目される検査項目と分野については、「糖尿病人口の増加に伴う診断・管理指標としてのHbA1c検査」や「新型インフルエンザの第2、3波到来による検査ニーズ」などを挙げた。また、「子宮頸がんのHPV(ヒトパピローマウイルス)検査が保険適用される可能性が高まってきた」と強調。国内初の子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」(グラクソ・スミスクライン)が昨年12月に販売を開始したことから、「(HPV検査について)保険適用になった際にはどのように市場が伸びるのか楽しみにしている」と述べた。

 また、診療報酬改定の検体検査実施料については、必要度が高いものの医療現場では赤字となっている項目の保険点数を引き上げる一方、不要な検査は保険収載から外すなど、メリハリを付けた変更になる可能性を指摘した。


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